タイトルなし

君がおいしい、おいしいと

何度もせがんで、飲ませた僕の唾液は

君の身体に吸収され

尿となり、汗となり、皮膚となって

もう代謝してしまっているだろう

僕が味わった君の身体も

37兆個すべての細胞は入れ替わり

もう別人になっていることだろう

ほんの数回の愛し合った時間に

僕は君の記憶に

何を遺すことができただろうか

僕の身体には

君と傷つけ合ったできた一本の線が

今も消えずに遺り

記憶の中には

冷たい目で微笑む君の顔がいつまでも

浮かんでいるというのに