心霊体験〜子供の頃に見た不思議な少女〜その4「最終章」

→道路に面した所から教会へ行くには、門を抜けて、左へ緩やかに曲がっていく坂道を歩いていくのですが、

そこを、20メートルくらい行った所に、幅の広い石畳の階段があります。

自分は、ボーイスカウトに入ってから、その階段を通る度に、何か胸騒ぎがしていたのですが… 

教会の広場からお人形を抱えて走っていたYちゃんが、石畳の階段を下ってすぐの所で、

「バッターン!」

…と、鈍い音がして、うつ伏せになって倒れてしまいました。

自分が見たところ、1段目の階段を降りた所でつまずいた感じでした。

すると神父さんが、

「ああっ!何ということか!」

「あの時の再来か…」

…と、言ってYちゃんに祈りを捧げました。

その後、取り乱した感じで、

「救急車だ!救急車を呼べ!すぐに!今すぐにだ!」

…と、怒鳴りつけました。

ところが、その数秒後にYちゃんはお人形を持って立ち上がりました。

左のヒザを、少しすりむいただけで軽傷でした。

すると、神父さんは再び鬼のような表情になり、Yちゃんからお人形を奪い取って、

「この人形を、教会の誰の手にも届かない、誰にも分からない所に封印しろ!」

と、興奮しながら言ったのです。

すると、近くにいた何人かのシスターが、

「神父さん!それはどういうことですか?説明して下さい!」

しばらく、沈黙していた神父さんでしたが、観念したのかゆっくりと話はじめました。

「そう、あれは7年前…よく教会に来ていた女の子が、あの石畳の階段で転倒して天に召されたのです」

「その時に持っていたフランス人形が、石畳の階段の下の方まで飛んでいってしまったんだが、それを私が拾って食堂の隅に置いたのです」

「確か…その女の子はサオリって名前だったと思う…」

その後、神父さんとシスター数人が話しこんでいました。

――――――――――――

次の週の日曜日、いつも通りボーイスカウトがあり、リーダーの指導とギターによる演奏を聞いた後、正午までの残り時間を皆で鬼ごっこをして過ごしました。

ただ、この時に違っていた事は、食堂の隅に置いてあったサオリちゃんのお人形が、ハイチェアに座らされて広場に出されていた事です。

そのお人形を、また持ち出されない様に、バンドで固定されていて、横にはあの竹ぼうきを持った怖いおばちゃんがいましたが、

広場にいたボーイスカウトの子供達は口々に、

「サオリちゃん!良かったね〜」

「サオリちゃん、皆で遊ぼうね〜」

帰り際には、

「サオリちゃん!またね〜」

…といった、声が掛けられるようになりました。

シスターの配慮によって、サオリちゃんのお人形が広場に出されるようになってから、不思議な少女は食堂にあらわれる事はなくなったのです。

〜その4、終了しました。

最後まで、読んで頂けた方には、厚く御礼申し上げます。