読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

亀が死んだ

「亀が死んだ」

 朝、水槽を見た。仰向けになって、石の上に寝っ転がっていた。あれっ、これはやばいやつかも。急いで網で亀を掬った。足が固くなっていた。ほんとにやばいやつだ。そのまま水の中につけた。水泡がいくつか上がって来た。でも、亀は動こうとしない。固くなったまま。なんでー。いつもなら、簡単にもとに戻っていたのに。どうして今日に限って。

「あいつ、死んだのか?」

 隣で、一部始終をずっと見ていた亀吉はぼそっと顔を水から上げて呟いた。ついに俺だけになってしまったか。寂しいなー。寂しいなー。水槽の中は、退屈だよい。あれ、俺いま何考えてたのかな。

「おーい、亀、起きろー」

 あれ、何考えてたのかな。あれれれれ。ぷくぷくぷくぷく。