ボヤッキ―Zの「うまい物とまずい物」江戸小話

むかし、なぞなぞの好きな殿さまが、料理番に言いつけました。

「今日は、変わった物が食いたいな」

「変わった物と言いますと?」

「うむ、うまい物とまずい物が一緒になった物を、持ってまいれ」

「・・・・・はい」

料理番は少し考えましたが、すぐに何かを思いついたのか、しばらくすると湯気の立っている肉を運んで来ました。

「おまたせいたしました。ご注文の『うまい物とまずい物』です。どうぞ、お召し上がりください」

「はて?・・・これはなんじゃ?」

「はい、これは牛の舌でございます」

「なにっ、ベタベタとよだれをたらす、牛の舌

じゃとそんな物、気持ち悪くて食えるか」

殿さまはカンカンですが、料理番はすました顔で言いました。

「物を食べて、うまいと感じるのは舌、まずいと感じるものも舌です。うまい物とまずい物が一緒になった物と言えば、舌しかございません」

「ぬっ、ぬぬぬぬぬ・・・・・。これはやられたわ」

ちゃんちゃん

(15.9.20)

( ̄ー ̄)うまい・・・・・・このトンチに気づかないアタイはまずい