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『スキップ』 by NAPPOS PRODUCE

4/26(水)初日@サンシャイン劇場

19:05〜21:10

原作「スキップ」は

北村 薫さんの「時と人 三部作」のうちの1作。

17歳、高校2年生の一ノ瀬真理子は、

文化祭の日の夕方、昼寝から目覚めると

自分が25年後にいて、夫も娘もいる境遇におかれている事を知る。

失われた年月の大きさを思いながら、

それでも“今”を前向きに生きていこうと真理子は決意していく、

というもの。

1996年 NHK 松坂慶子主演でドラマ化され、

2004年 演劇集団キャラメルボックスにより舞台化された。

それを、今回は、

42歳の真理子を元宝塚月組トップ「霧矢大夢」さん

17歳の真理子を元乃木坂46深川麻衣」さん

で演る。

2004年の42歳の真理子(坂口理恵)がとても好きだったので、

元宝塚の女優さんかぁ〜〜 と懸念があったが、

この作品、力のある女優さんが演れば、

どなたが演ってもいい芝居になるんだなぁ〜 と、実感!

というのは、基本的に、

美しい原作の言葉を、そのまま台詞としているから。

400ページ以上ある長編を2時間の芝居にするのだから、

もちろん、かなり編集し

いくつかのエピソードもザックリ切り捨てたのだけれど、

北村さんが書かなかった言葉は足していない、と言う。

だから、原作の「群読劇」にかなり近い。

主体がキャラメルボックスだから、

舞台はいつものようなシンプルかつ芝居を最高に引き立てるもの。

この椅子を、役者が登場しハケる時、実に自然に移動させて、

舞台転換を行う。

そして中央に、この作品の軸ともいえる、回る大道具?

これらを駆使して、

美しい言葉が鏤められた紙上の北村ワールドを、

美しい科白で満ち溢れる3次元のSKIPの世界にして魅せてくれる。

最近すっかり、芝居を観ても泣けなくなった私。

感性も老化して硬化してるのかな?と心配していたけれど、

本作を観て、わかった!

心の琴線の位置が変わっただけだったんだ と…

2004年の頃は42歳の真理子が、

自分の中には、幼児を慈しみ育てた、そんな愛しい想いが無い

と、親友「いけちゃん」の前で泣く場面に、

自分の子育て中の、大切な時が消滅したら… と重なって

涙があふれたが、

今回は、そこに加えて、

昨日、何気なく言葉を交わした両親が、

今日、居ない… その喪失感が現実に迫ってくるようで、

42歳の真理子と自分が、完全にリンクしてしまった。

左:起きたら居た夫「桜木」(岡田達也) 彼なら25年と取り換えても…

右:起きたらもう会えなくなっていた「父」他… (粟根まこと) 本当に名優!

バレーボールのシーンは大林素子さんが協力されたとか… スゴイ!

真理子が作詞するという劇中歌は、

作詞:北村薫 作曲:竹中三佳 という豪華な物。

   扉を 開こう

   季節の 扉を

   きらめく 若さが

   みなぎり あふれる

   はてなく 流れる

   時さえ 停まれよ

   輝く 光 今日の日

   今は 美しい

       はるかな大空仰ぎ

       南の風を待つ

       忘れ得ぬ 二度とない

       はつ夏の この日

   はてなく 流れる

   時さえ 停まれよ

   輝く 命 今こそ

   君は 美しい

   扉を 開こう

   季節の 扉を

   高鳴る この胸

   喜び あふれる

   はてなく 流れる

   時さえ 停まれよ

   輝く 光 今日の日

   今は 美しい

       緑の木立を揺らし      

       南の風渡る

       忘れ得ぬ 二度とない

       はつ夏の この日

   はてなく 流れる

   時さえ 停まれよ

   輝く 命 今こそ

   君は 美しい

https://matome.naver.jp/odai/2142224451590989201/2142224475691256503

本当に美しい合唱曲で、

前公演の折、楽譜を販売してくれたので、

10部ほど購入して、母校の音楽の先生に献上した。

歌ってくれたかな〜?

      ― 昨日という日があったらしい。

            明日という日があるらしい。

         だが、わたしには今がある。

私の中の、キャラメル作品ベスト5の1作である。